「え、これも経費で落とせるの?」
経理として働いていると、よくこんなセリフを耳にします。カフェ代、スーツ、スマホ、家賃、果ては旅行費用まで。
社長たちは口をそろえて言います——「全部、仕事に必要なんだ!」と。
しかし、簿記や税法のルールを知っていると、実はそんなに甘くはないと気づきます。
経費にできるかどうかの判断には、会計上の原則や税務の知識が欠かせません。
本記事では、「経費って何?」という素朴な疑問に、簿記の視点から答えることを目指します。
会計を学ぶ学生にも、これから起業を考えている人にも、きっと役立つ内容になっているはずです!
第1章:はじめに 〜経費の誤解、多すぎ問題〜
SNSやビジネス系インフルエンサーの投稿で、「全部経費で落とせば節税になる!」という話を見たことがある人も多いでしょう。
たとえば、ある起業家は高級腕時計やブランドスーツを買って、「これは“自分のブランディング”のためだから経費!」と堂々と発信していました。
たしかに「仕事に使う」ものならば、経費になりそうな気がします。
しかし、それを本当に経費として認めてもらえるかどうかは、税務署との勝負になります。
もし「それは経費とは認められません」と判断されれば、追加の税金+延滞税+加算税のトリプルパンチが待っています。
だからこそ、「経費」という言葉をカジュアルに使う前に、簿記的な理解・税務的な視点を持つことが非常に大切です。
この章ではまず、「経費ってそもそも何?」「なぜ誤解が多いの?」という点から掘り下げていきます。
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